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でリモートセンシング技術を利用しようとすると、陸上設置型のレーダーのような機器を利用すべきである。

リモートセンシングの長所は、暴風雨下の海面の測定を十分に離れた安全な場所から行うことができるという点にある、特に人工衛星からのリモートセンシングでは波浪データを全地球的に得ることができ、台風やハリケーンによる高波域の監視に重要な役割を果たす。

以下に衛星リモートセンシング技術による?レーダー高度計、?合成開口レーダー、地上リモートセンシング技術による?短波海洋レーダー、?マイクロ波地上レーダーの順に記述する。

 

? レーダー高度計(1)

人工衛星に搭載し、マイクロ波の矩形パルスを下向きに発射し、地表面で反射して戻ってくる信号を受信し、発信パルスと受信信号の時間のずれを用いて地表面からの高度を測定するもので、人工衛星の絶対位置がわかっていれば相対的に地表面の起伏がわかる。これによって海面の起伏を測り、得られる海面傾斜から地衡流を計算するのがこの機器の本来の目的である。副次的な産物としてこの受信信号から平均的な海面の粗さ、あるいは有義波高を推定するアルゴリズムが開発された。この機器は1973年に人工衛星SKYLAB(Sky Laboratory)に初めて搭載され、1975年にGEOS−3(Geodetic Earth Orbiting Satellite)に、1978年にSEASAT−1(Sea Satellite)に、1985年にGEOSATに搭載された。

有義波高の測定精度について多くの報告があり、いずれも±0.5m、あるいは波高の10%のいずれか大きい方という設計値の範囲内にある。図1.1.4−1はGEOSATでの測定値から作った平均有義波高の全地球的分布であるが通常の測定法による波浪データ空白域についても波浪推定値が得られていることを示している。

 

図1.1.4−1 (磯崎一郎、波浪概論、(財)日本気象協会より)

 

 

 

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